こんにちは
kintone(キントーン)はスペース機能やアクセス権を利用して、アプリを利用できるユーザーを制限できます。
ですから、「取引先とkintoneを利用して報告書などのやり取りをしたいが、取引先に見せたくないアプリもある」といった場合はアプリにアクセス権を設定し利用します。
しかし、「複数の取引先とkintoneを利用したいが、取引先各々には利用ユーザーの存在を知られたくない!!」
という場合は、残念ながらどんなにアクセス権を細かく設定しても、ユーザー選択画面ではkintoneに登録されているユーザー全員が表示されてしまい、誰でもその存在を確認することができてしまいます。
同様に、ピープル機能やコメントでメンションする際にも登録ユーザーがすべて表示される仕組みです。
ピープル機能やコメント機能をユーザーが利用出来ないように制限も出来ますが(参照:2015年5月のblog kintoneのコミュニケーション機能を限りなく無効にする)、やはりユーザー間のコミュニケーションツールとしてkintoneを活用いただきたいです。
ですので、今までは特定のユーザーと分からないように利用したい場合は、ユーザー名を工夫し登録して、運用でカバーするといった利用をご案内しておりました。
朗報!組織間アクセス権機能が使える!
2016年1月アップデートで組織間のアクセス権の設定が追加されたことによって、各ユーザーの情報を組織(最上位組織)ごとに制限することが可能になりました。kintoneの1ドメインの中でマルチテナント方式を採用できるんです。
(マルチテナント方式とは、一つの建物に複数の店舗が同居する雑居ビルのように一つのシステムを複数の企業が共同利用する方式のことをいいます。)
組織間アクセス権機能の設定はチェック一つでOKなんです!
設定はcybozu.com共通管理画面ですので.com管理者が設定を行いますようご注意下さい。
※この設定は異なる最上位組織に所属するユーザー同士のアクセスを制限するものなので、先にユーザーを組織に所属させておく必要があります。
設定の反映を確認してみよう
例えば〇〇商事は取引先複数社(仮にA株式会社、B株式会社、C株式会社)に各スペースを設けkintoneを利用している下記のような運用の場合。
最上位組織「A株式会社」に所属する佐藤さんは同じ最上位組織「A株式会社」のユーザー情報しか閲覧出来ないよう制限されましたので佐藤さんでログインした時、ユーザー選択画面でも「B株式会社」のユーザーは表示されません。
逆に全組織の情報をチェックする〇〇商事のユーザーは「A株式会社」にも「B株式会社」「C株式会社」にも所属するのを忘れないようにしましょう。
利用する選択肢も増加
今まではスペース機能とピープル機能の利用はセットで考えられどちらか一方だけ利用不可にすることができませんでしたが、組織間アクセス権機能を持たせたことによって、「ピープル機能は利用しないけど、スペースは作成したい」といった選択肢も持てるようになりました。
まとめ
組織間アクセス権機能を使えば別組織のユーザーの存在を気にする必要がありません。
例えばフランチャイズのように運用は各店舗に任せるが、本社は各店舗の内容を見たいというご相談を受けることがあります。
しかし、店舗毎にkintoneのドメイン環境を用意すると、チェックをする本社側の業務負担が増えてしまいます。かといって1ドメイン内で複数店舗が利用すれば、店舗側はお互いを意識しながらの運用となってしまいます。
またこういう場合は、店舗は独立企業としてる場合が多いので、本社を通さない横のやりとりは制限したいというケースもあります。
今回のこの組織間の閲覧制限機能は、本社も店舗もwinwinでうれしい機能ですね。