kintone(キントーン)の12月のアップデートで、より便利に使える機能が増えましたのでご紹介したいと思います。
アップデート情報の詳細は下記kintoneサイトをご覧ください。
2020年12月版 主なアップデート
今回アップデートされた内容のうち、以下についてご紹介します。
・計算式でCONTAINS関数が利用可能に
・ファイル書き出し機能に、ユーザー/組織/グループを表示名で出力するオプションを追加
・モバイルでも、ルックアップのデータ取得後にダイアログを閉じる操作が不要に
・「アプリ管理者用メモ」をアプリテンプレートや再利用して作成したアプリに含めることが可能に
・検索ボックスでキーワード検索した時に表示される候補を「別タブ/別ウィンドウで開く操作」が可能に
計算式でCONTAINS関数が利用可能に
計算式でCONTAINS関数が利用できるようになりました。
これにより、次の2つができるようになりました。
①チェックボックスや複数選択の選択状況を計算式で参照する
②テーブル内のフィールドに、条件(検索文字列)と一致する行があるかどうかを計算式から参照する
①チェックボックスや複数選択の選択状況を計算式で参照する
CONTAINS関数を使って、チェックボックスフィールドや複数選択フィールドの選択状況を、計算式で参照できるようになりました。
IF(CONTAINS(フィールドコード,選択肢名),”true”,”false”)
第1引数「フィールドコード」で指定されたフィールド(チェックボックスまたは複数選択)に、第2引数「選択肢名」で指定された選択肢が選択されている場合はtrue、そうでない場合はfalseを返します。
活用例
[注文管理]アプリで、配送オプションフィールドの「お急ぎ便」にチェックが付いている場合、オプション追加料金が追加されるようにしたいと思います。
1.チェックボックスフィールドを配置し、お急ぎ便を選択するための「配送オプション」フィールドを作成します。
また、数値フィールドを配置し、「配送オプション料金」フィールドを作成します。入力の手間が省けるよう、初期値に300円を設定します。
2.合計、オプション追加、総合計を表示させるフィールドとして計算フィールドを配置し、それぞれ計算式を入力します。
【合計】
計算式:SUM(金額)
【オプション追加】
配送オプションフィールドの「お急ぎ便」にチェックが付いている場合はオプション料金を追加、チェックが付いていない場合はオプション料金なしにしたいので、計算式は以下のようになります。
IF(CONTAINS(配送オプション,”お急ぎ便”), 配送オプション料金,”0″)
【総合計】
計算式:合計+オプション追加
3.実際に動きを試してみます。
「お急ぎ便」にチェックを入れます。
計算式の条件をクリアしているのでオプション料金が追加された金額が表示されました。
②テーブル内のフィールドに、条件(検索文字列)と一致する行があるかどうかを計算式から参照する
CONTAINS関数を使って、テーブル内のフィールドに、条件(検索文字列)と一致する行があるかどうかを計算式から参照することができます。
IF(CONTAINS(フィールドコード,検索文字列),”true”,”false”)
第1引数「フィールドコード」で指定されたテーブル内のフィールドに、第2引数「検索文字列」と一致する行が存在するかを検索し、見つかった場合はtrue、見つからなかった場合はfalseを返します。
※検索文字列として指定できるテーブル内フィールド:
文字列(1行)、ラジオボタン、ドロップダウン、ルックアップ(コピー元が文字列の場合)
活用例
[備品在庫管理]アプリで、テーブル内の追加発注フィールドに「必要」が一つでも存在する場合、追加対応フィールドに「あり」という文字列を表示させたいと思います。
1.追加対応あり/なしを表示させるフィールドとして文字列(1行)フィールドを配置し、計算式を入力します。
追加発注フィールドに「必要」が存在する場合は「あり」、存在しない場合は「なし」と表示させたいので、計算式は以下のようになります。
計算式:IF(CONTAINS(追加発注,”必要”),”あり”,”なし”)
2.実際に動きを試してみます。
テーブル内の追加発注フィールドで「必要」を選択します。
計算式の条件をクリアしているので、追加対応フィールドに「あり」が表示されました。
ファイル書き出し機能に、ユーザー/組織/グループを表示名で出力するオプションを追加
ファイル書き出し画面に出力オプションが追加され、ユーザー/組織/グループを表示名で出力するか、これまで通りコードで出力するか選択できるようになりました。
今までは、ユーザー/組織/グループは、コード(ログイン名/組織コード/グループコード)で出力されていました。そのため、表示名で集計・分析したい場合、書き出した後に手動で表示名に変換する作業が必要でした。
今回のアップデートにより、最初から表示名で出力することが可能になったので、そのような変換する作業が不要になり、データ活用がしやすくなりました。
【アップデート前】
ユーザー/組織/グループは、自動的にコード(ログイン名/組織コード/グループコード)で出力されていました。
【アップデート後】
今回のアップデートにより、ユーザー/組織/グループを表示名で出力するか、これまで通りコードで出力するか選択できるようになりました。
1.ファイル書き出し画面で、「ユーザー、組織、グループを表示名で出力する」にチェックを入れます。
2.組織やユーザーが表示名で出力されました。
モバイルでも、ルックアップのデータ取得後にダイアログを閉じる操作が不要に
今までモバイルでは、ルックアップのデータを取得すると「参照先からデータが取得されました。」というメッセージが表示され、OKを押さないと先に進めませんでした。
今回のアップデートにより、メッセージが画面下部に表示されOKを押す必要がなくなりました。PC版と同じように、スムーズにルックアップの登録ができるようになりました。
【アップデート前】
【アップデート後】
「アプリ管理者用メモ」をアプリテンプレートや再利用して作成したアプリに含めることが可能に
11月版で「アプリ管理者用メモ」機能が追加されていました。
今回のアップデートにより、「アプリ管理者用メモ」をアプリテンプレートや再利用して作成したアプリに含めることが可能になりました。
例えば、アプリの作成経緯や注意事項が「アプリ管理者用メモ」に記載されている場合、メモも含めてテンプレート化し他のユーザーに渡すことで、内容を把握してもらいやすくなります。
1.アプリの設定を開き、「アプリ管理者用メモ」をクリックします。
「アプリテンプレートやアプリの再利用時にこのメモの内容を含める」にチェックを入れます。
2.1のアプリを再利用してアプリを作成します。
再利用元アプリのメモを含めた状態でアプリが作成されました。
検索ボックスでキーワード検索した時に表示される候補を「別タブ/別ウィンドウで開く操作」が可能に
画面右上の検索ボックス(全体検索/スペース内検索/アプリ内検索)でキーワード検索した時に表示される候補を、別タブ/別ウィンドウで開く操作ができるようになりました。
現在のページを開いたまま別のページを表示したい時に便利です。
以下の別タブ/別ウィンドウで開く操作に対応しました。
操作例(Windowsの場合):
別タブで開く
・右クリックして「新しいタブで開く」を選択
・ホイールクリック(中ボタン)
・Ctrl+左クリック
別ウィンドウで開く
・右クリックして「新しいウィンドウで開く」を選択
・Shift+左クリック
1.検索ボックスにキーワードを入力し、開きたいアプリの上で、Ctrlキーを押しながら左クリックします。
2.アプリが新しいタブで表示されました。
おわりに
今回のアップデートでは、CONTAINS関数が利用可能になり、「チェックボックス」や「複数選択」を計算式で参照できるようになりました。「チェックボックス」や「複数選択」は今までは計算式で参照できなかったので、CONTAINS関数を利用することで活用の幅が広がりそうですね。
今後のkintoneアップデートも期待しています!
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