これまで、kintoneのモバイル版はインターフェース(画面)がPC版とは全く異なるだけでなく、多くの機能制限がありました。
PCではできるのにスマートフォンではできない。
泣く泣くスマートフォンでPC版を使う、なんて場面もあったのではないでしょうか。
kintoneモバイルを大幅リニューアル
2019年3月にプレビュー版、5月に正式版およびアプリを順次リリース予定
https://topics.cybozu.co.jp/news/2019/02/27-8147.html
みんな待ってました。僕も待ってましたよ。
5月のブラウザ版が正式対応を経て2019年6月。
kintoneモバイルアプリも正式版にてアップデートされました。
令和元年のアップデートの目玉と言っても過言ではありません。
モバイルまわりのアップデートおさらい
見た目や構成がPC版に近い形になった印象でしょうか。これはkintoneをPC中心で使ってきた方には、モバイルでの利用を勧めやすいポイントかもしれないですね。
入力画面自体は大きく変わりませんが、保存ボタンの配置等々、導線が大幅に改善された印象です。
出先で入力してもらいたい日報だったりっていうのも、このUIの変化だけでも入力率が上がりそうですね。
見た目以上に大きいポイントはやはり「一覧画面」ですね。
PC版と同様、表形式で表示されるようになりました。
更に、独自画面を作り込める「カスタムビュー」も使えるようになり、PCとスマートフォンをよりシームレスに、用途によってはモバイルに寄せていくなんてこともできるかもしれません。
昨年からのモバイル機能強化によって、モバイルでは使えなかったAPIも多くが使えるようになりました。プロセス管理機能周辺が使えるようになったのも大きいですね。
https://developer.cybozu.io/hc/ja/articles/202738940
違いを見るなら「モバイルでは使えない機能」を並べたほうが早そうです。
PCでできてモバイルでできないこと
「一覧画面のレコード編集・削除」の機能は付きませんでした。のでもちろんこれらのイベントは存在しません。むしろPC版も違う形に変えてほし(略)
レコード印刷画面が表示された時のイベント(app.record.print.show)。
こちらも機能が無いので非対応。
あとは、画面上にパーツを追加したいときのエリアを取得する機能ですが、レイアウト上、エリア自体が限定的なのでその違いがあるだけです。
モバイルは一覧の上部に1箇所だけそういうエリアが用意されています。(kintone.mobile.app.getHeaderSpaceElement)
惜しむらくは
・一覧のフィールド要素を取得(kintone.app.getFieldElements)
・詳細のフィールド要素を取得(kintone.app.record.getFieldElement)
の非対応。この辺は対応されてもよかなかったかな。詳細画面はパーツの構成がPCとモバイルで違うのでしようが無いのですかね。
でもニーズのある「条件によって色を変える」なんて時に使いたい部分なので、モバイルでも統一的に使いたかったです。使いたかったです。
今までできなかったことやってみた
「カスタムビュー」の機能はPC版のみの機能でした。どんなに便利に作り込んでもモバイルで使うにはPCモードで開くしかなくて、2本指で伸ばしたり縮めたりして見なければならないような場面が多かったですよね。
これが使えるようになったということは、PC版で
こんなカスタマイズ画面を作っていたのを
こんな感じでモバイルでも使えます。
「モバイル用CSS」も個別に設置できるようになったので、プログラム上で切り替えるようなことをせず、それぞれの見た目を変えて運用することが容易になりました。
こうなってくると、PCとモバイル共通で使うJavaScript・CSSファイルもありますので、そんな対応なんかもあったらうれしいですけどね。
20MBってどのくらいなのさ
そしてアップデートについてはもう一つ。
“プラグインに含めるJS/CSSファイルサイズの拡大”
https://kintone.cybozu.co.jp/update/main/2019-06.html
開発サイドはこちらも待ってましたよ。待望です。
ファイルサイズが大きくなってどうなるって言うのさ。と思った方にお伝えするなら、例えば、カスタマイズで必要になるサイズの大きなファイル。
高度な機能のためにファイルが大きくなる、元々サイズが大きくなりがちの画像とか、フォントデータなんてものもあり得ますね。
こういった、今までならわざわざ外部にサーバーを用意して、そこに置いておかなければならないような大きめのファイルをkintoneに直接セットすることも可能になります。コストダウンに繋がるケースもあるのではないでしょうか。
詳しくは別に誰か書いてくれるかもしれませんので、【kintoneを便利に使う方法を紹介するブログ】の新しい投稿をお楽しみに・・・。
まとめ
もちろん、PC画面とにらめっこが基本の業務スタイルも多いと思います。モバイルには入力スピードと画面の大きさという限界が絶対にあります。
それでも、働き方を変えるひとつのとっかかりになり得るkintoneのモバイルのこれからの姿のようなものが、よりくっきりと見えてきたんじゃないかな、と思うわけです。
そんなわけで、弊社ジョイゾーの定額開発&業務改善サービス「システム39」でも、新しいkintoneモバイルの使いどころをじゃんじゃん取り入れながら、kintoneを通して新たな価値とenjoyを提供してまいります!