こんにちは、黒坂です。
みなさん、kintoneの『プロセス管理』を使用していますか?
プロセス管理は、複数のユーザーでレコードの編集や確認をするためのプロセスを設定できる機能で、稟議申請や有給申請などのワークフローを作成するにはとても便利です。
しかし、ワークフローは業務や人によって条件が変わることが多く、設定が複雑化したり、入力側の手間が増えてしまったりすることがあります。
そこで今回は、複雑なワークフローの管理で役立つ『承認マスタ』を使用した承認者の指定方法について紹介いたします!
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まずはシンプルなプロセス管理を設定
まずはプロセス管理機能のおさらいもかねて、上司に休暇申請を行う設定をしてみます。
休暇申請アプリにユーザー選択フィールドで「上司」を追加、プロセス管理で「上司」に追加されたアカウントに申請できるようにします。

これで無事「上司」に休暇申請をすることができます。
上記のようにフィールドに「上司」を追加する方法以外にも申請者のアカウントごとにあらかじめ「上司」を設定し、承認者に指定することも可能です。
アカウントにあらかじめ「上司」を設定しておくことで、毎回上司を入力せずとも申請が可能になります。
詳しい設定方法については過去の記事でご紹介しておりますので、ぜひチェックしてみてください。
『承認者が1人だけ』という場合は、上記の方法で十分ですが、承認者が複数人いたり、条件によって申請ルートが変わるという場合は管理が複雑になってしまいます。
そんなときに役立つのが本題の『承認マスタ』です!
承認者が複数いる場合のプロセス管理
以下条件を例に承認者が複数いる場合のプロセス管理を設定していきます。
- 休暇取得には3人の承認を得る必要がある
- 申請者ごとに3人の承認者が固定で決まっている
条件を満たすため、休暇申請アプリのフィールドに「一次承認者」「二次承認者」「三次承認者」のユーザー選択フィールドを用意し、以下の条件でプロセス管理の設定を行います。

これで、毎申請ごとに「一次承認者」「二次承認者」「三次承認者」を入力すれば、3人の承認者に申請できる状態になりました。
しかし、毎回3名の承認者を手入力するとなると、入力者としてはやや面倒です。

早速承認マスタを作成してみましょう。
承認マスタで承認フローを管理
承認マスタアプリを作成し、「申請者の社員番号」「申請者」「申請者に紐づく承認者」を設定します。

あとは休暇申請アプリに承認マスタからのルックアップ設定を行うことで、毎回承認者を入力せずとも社員番号の入力のみで承認マスタで登録しておいた承認者を取得できます。

今回は申請者(社員)ごとに承認マスタを作りましたが、下記の図のように申請種別ごとにマスタアプリを作って、申請したい内容によって承認者を管理することも可能です。

承認者を変更したいときも、マスタの情報を編集することで、次の申請から承認者を変更することができます。
承認者の数が変わる場合に注意!
必ず三次承認までいる承認フローであれば、前述した方法でよいですが、社員によっては三次承認までは不要という場合もあるかと思います。
『申請者が執行役員であれば、直で社長に申請する』という例で考えてみます。
執行役員の鈴木さんが申請者の場合、社長の齋藤さんに直接申請できるように承認マスタに登録します。

この状態で鈴木さんから齋藤さんに申請をします。
現在の作業者が齋藤さんになりました。

次に齋藤さんのアカウントで鈴木さんから申請されたレコードを見てみると、二次承認者がいないにも関わらず、『二次承認者に承認する』というボタンが表示されます。
実行を押してみると、ステータスが二次承認者確認中になりましたが、二次承認者はいないため、誰も作業者が割り当てられてないステータスとなってしまいます。

これは、プロセス管理の設定で【すべてのレコードにおいて、一次承認者の次は二次承認者が確認する】という設定をしているからです。

こちらを解消するためにプロセス管理の『アクションが実行できる条件』に条件をつけていきます。
本来であれば【二次承認者が空の場合は、一次承認者確認中でのアクションを『承認する』にする】という条件をつけたいところですが、ユーザー選択フィールドは【空の場合】という条件を指定できません。
そこで、『何次承認まで必要か』という情報を持たせることで、プロセス管理の設定で条件をつけて適切な申請ができるようにします。
承認マスタと休暇申請マスタに条件用のフィールドを持たせる
承認マスタに「必要承認種別」というラジオボタンを追加し、休暇申請アプリにもルックアップで連携します。


あとは、プロセス管理にて【「必要承認種別」が『一次承認』であれば、一次承認者確認中でのアクションを『承認する』にする】という設定すればOKです。

設定を変えて、再度申請してみると『二次承認者に承認する』となっていた部分が『承認する』に変わり、アクションを実行するとステータスが無事完了になりました。

このように承認フローに条件が必要な場合もマスタとプロセス管理の設定を組み合わせることでより便利に利用することができます。
まとめ
今回は、承認マスタを利用した承認者の指定方法についてご紹介いたしました。承認フローのパターンさえマスタに登録しておけば、申請時に承認フローに迷うことも入力の手間が増えることもありません。また、承認者の数が異なる場合もプロセス管理側で条件を決めておくことで柔軟に対応ができます。
承認フローのパターンが多い場合や入力ミスを防ぎたいという場合はぜひ「承認マスタ」をお試しください!
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